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漆塗装ギターの音質影響について。■→写真置き場 🗻

■ ギターの漆塗装、加工時の音質変化、影響の要因について。

私は、ギターや万年筆に漆塗装の加工を行っている。技術面等で至らない点も有ったのだが、
依頼された方からは、「 以前より音の中域の山が増した。」という感想をいただいた。

では、私の場合の音質目線中心での、ギター漆加工の工程は現在、どの様なものなのか?
まず、元のニスや塗装をはがす。これが込み入った工程だが、今、詳細は関係が無いのでスルーしておく。
完全に木肌が見えると、そこに顔料と金粉、銀粉、チタンやアルミ粉、高級タンスや木製スピーカー等の
修復で使われる"との粉"と言うものを水で混ぜたものを塗り、乾かして拭くという事を何度か繰り返します。

これによりボディ木材の密度が上がります。ボディ素材の音質への影響が大きいとされるレスポール等の型では
ギターの重さで音質が変わると定説的に言われ、実際音質に個体差があり、その通りにみえます。
私の理解では、もっと正確に言えばボディの質量、厳密には"密度"がボディの鳴りに影響すると理解しています。
(ダンボール+輪ゴムや全体がゴム製のギターよりも、アルミ缶+輪ゴムギターの方が鳴りが良い原理 )


顔料と金属粉


その視点から木材の密度を上げる為に、金属粉の混合ととの粉と顔料の
混合液をしみ込ませる事で、ボディの下地を整えます。
さらに、依頼されたモノにはほぼしない工程としては、木材を木ヅチや金ヅチでたたいて凹ませて
ボディの密度を上げてから、様々なヤスリで研磨して木肌を整える、という工程もあります。
これにより軽めのボディでも音質で、より芯を引き立てる方向に仕上げられます。
ボディの表等で絵や模様を書き加える場合は、チタニウムホワイトやジェッソ等で絵の下地を塗り、
アクリル絵の具等で、下書きとしてイメージをのせます。その上から初めて漆をのせ始めます。

漆は一度塗る毎に季節や気温により異なりますが、1〜2日以上の乾燥期間が入り込みます。
このせいで、漆加工は色数や厚みにより期間がかかるものとなります。

さらに音質に影響する工程として、まずはネックとボディが1枚板の
スルーネックなどが理想的だが、他には、接着完了型のセットネック(完着)の方が
ボルトオンジョイントより高級という風潮にみえるが、実際には、完着なら何でも良い訳ではない。
適当な完着よりも、ネックとボディの分離可能なボルトオンジョイントの方が
二者の接点を加工出来るし、ネックも交換出来るし、都合が良い。
では、接点をどの様に加工するのかと言うと、二者の接点は、ネックでの弦の鳴りを
ボディに伝える大切な部分なので、その接点部分に金属粉ととの粉と顔料の混合液を
塗り、しみ込ませて乾かし、拭き取りまた塗る事を数度やり、乾燥させた上から漆を
塗り固める事で、密度と硬さを増す。これにより音質の芯の山をより確実に伝えられる様に出来る。
元々軽いギター等、ボディの材質が音質に大きくは、影響しない様な型も含め
ほぼ全てのギターに影響する要素だと思っている。

後は、ピックアップに隣接するピックガードにも、厚く漆を塗る事で反響に影響が出ていると思う。
世間で、音質について、ピックアップに隣接する様な重要な部品の素材について、選択肢が乏しく
議論も少なくみえる事が不思議で、私は少なくとも反響には影響を与えていると思っている。
金属や、その他素材のピックガードやカバーの選択肢がもっとあれば良いのだが。
ただ、反響なんてエフェクタやアンプで弄れば良いだけだし、といった感じだろうか。
多数のメーカがひしめく中の今なんだから、何処かの企業が
実験やったけど変わらなかった、という結果があるのかもしれない。
けど、ピックやケーブル(シールド)も多種多様にある(疲労劣化耐久度の差等)世界なのに。

後は、ピックアップと弦の高さ調整等、通常のギター調整との関わりになって来る。
以上が楽器ど素人の絵画畑の現在の意見ですが、みなさんの補足や別の説等あれば
ご教授くだされば、ありがたいです。


  

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